シックハウス測定

シックハウス測定

概要

化学物質を多量に放散する性質のある建材の使用による室内空気汚染(シックハウス)が問題になっています。
シックハウス対策の規制の流れは、建築基準法でクロルピリホスを塗布・散布・含有した建材使用の全面的禁止、ホルムアルデヒド発散建材材料の内装仕上げへの使用等が制限されました。また、ビル管法では建築完成後や定期的な室内空気の測定が規定されています。
今後は住宅についても室内空気の測定が義務付けられていく可能性があります。

化学物質の指針値

厚生労働省はガイドラインで、室内空気汚染の低減化、快適で健康的な室内空間を確保することを目的に、ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物に対して室内濃度指針値を以下のように設定しました。

ホルムアルデヒド 100μg/m3(0.08ppm)
トルエン 260μg/m3(0.07ppm)
キシレン 200μg/m3(0.05ppm)
スチレン 220μg/m3(0.05ppm)
エチルベンゼン 3800μg/m3(0.88ppm)
パラジクロロベンゼン 240μg/m3(0.04ppm)

化学物質による症状

室内空気汚染の原因となる主な化学物質の毒性障害・健康影響等は以下のように報告されています。

ホルムアルデヒド 目の痛み、喉の痛み、頭痛、臭覚の鈍化
トルエン 疲労、めまい、体力減退、不眠、呼吸器疾患の悪化
キシレン 目、鼻、喉の刺激、バランス感覚を失わせる
スチレン 粘膜の炎症、中枢神経の抑制作用
エチルベンゼン 目や皮膚への刺激、咳、めまい、皮膚炎
パラジクロロベンゼン めまい、頭痛、腎炎、発ガン性もある

化学物質の測定

室内空気測定は、室内空気中化学物質の測定マニュアル(厚生労働省)に示された「室内空気中化学物質の採取方法と測定方法」により実施します。
固相吸着/溶媒抽出法により採取した後、ホルムアルデヒドは高速液体クロマトグラフ法で測定します。
揮発性有機化合物はガスクロマトグラフ/質量分析法で測定します。

新築住宅と居住住宅における採取法

新築住宅の採取方法は、建材等から発散される化学物質濃度が、どの程度のレベルまで達する可能性があるかを推定する事を目的とするため、入居前の家具等の持ち込みの無い状態で行ないます。
一方、居住住宅の採取方法は、実際の生活環境においてどの程度の化学物質が存在しているのかを把握する事を目的とするため、通常の生活状態で行ないます。