石綿分析(アスベスト分析)

石綿分析、アスベスト分析

概要

石綿(アスベスト)は天然にできた鉱物繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性を持っており、建築材料など様々な工業製品に使用されてきました。
以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、発ガン性などが問題となり、こうした使用は1975年に原則禁止されました。
その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。

石綿を取り扱う作業等に関する規制

石綿障害予防規則(石綿則)

石綿含有製品を製造・加工する作業等 石綿が使用された建築物の解体等の作業
測定対象 指定作業場を対象とし、6ヶ月以内毎に1回空気中の石綿粉塵濃度測定を行なう義務あり 解体、改修を行なう建築物に石綿が使用されているか否か事前調査を行なう
測定対象例 石綿製品を製造、切断、研磨、塗布混合する屋内作業場 吹き付け材、屋根材、壁材、天井材、スレートボードなど
測定方法 ろ紙に空気中の石綿粉塵を捕集する 吹き付け施工面(天井や壁など)において、3箇所以上の場所から試料を採取する(採取量は1箇所当たり10cm3程度)
分析方法 ろ紙に捕集した試料を前処理し、位相差顕微鏡で繊維状粒子(長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満、縦横比3以上の繊維)を計数する 定性分析:位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法及びエックス線回折分析法
定量分析:エックス線回折分析法(基底標準吸収補正法)
その他 管理濃度:0.15本/cm3 ①判定基準は石綿がその重量の1%を超えて含有するか否か

②石綿等が使用されている耐火・準耐火建築物の解体等作業を行う場合は、14日前までに所轄の労働基準監督署長へ届け出が必要

③作業基準(作業場の隔離、負圧、集じん・排気装置、湿潤化など)の遵守

大気汚染防止法(大防法)

石綿含有製品を製造・加工する作業等 石綿が使用された建築物の解体等の作業
測定対象 特定粉塵を発生する施設の事業者は敷地境界において6箇月を超えない作業期間毎に1回以上空気中の特定粉塵の(石綿)濃度測定を行なう義務あり ①規模要件(延べ床面積500m2かつ吹き付け面積50m2)以上の解体等作業を行う場合は、作業の開始の日の14日前までに、施工者による都道府県知事への届出が必要

②作業基準(作業場の隔離、負圧、集じん排気装置、湿潤化など)の遵守

③施工事業者には、飛散防止のために石綿濃度測定を積極的に実施することを推奨

測定対象例 石綿含有製品の製造の用に供する解綿、混合、紡織、切断等機械で一定規模以上の施設(特定粉塵発生施設)を設置する事業者
測定方法 ろ紙に空気中の石綿粉塵を捕集する
分析方法 ろ紙に捕集した試料を前処理し、位相差顕微鏡で繊維状粒子(長さ5μm以上、縦横比3以上の繊維)を計数する
敷地境界基準 10本/L

石綿製品等の製造に係る規制

労働安全衛生法(安衛法)
アモサイト、クロシドライトを含有する製品及び特定石綿(クリソタイル等)をその重量の1%を超えて含有する製品の製造等の禁止、名称等の表示の義務など