土壌汚染の調査方法

土壌汚染の調査方法
①土壌汚染のおそれの把握(地歴調査)

過去に遡り、資料収集(登記簿謄本、住宅地図、空中写真等)、公的届出資料等行政保有情報、関係者からの聴取及び現地確認の方法により情報収集し、試料採取等対象物質の特定、土壌汚染のおそれの区分の分類を行います。

収集する情報は以下のようなものになります。

・調査対象地の用途に関する情報

・汚染のおそれが生じた地表の位置に関する情報

・特定有害物質の埋設等、使用等又は貯蔵等に関する情報

②試料採取等を行う区画の選定

土壌汚染のおそれの把握(地歴調査)での調査結果に基づき調査対象地を以下の土壌汚染のおそれの区分の分類(3種類)に分け、試料採取等を行う区画を選定します。

土壌汚染のおそれの区分 試料採取等を行う区画
土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる区画 10m格子(10m×10m)内の1地点で調査が必要となります
土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる区画 第1種特定有害物質 30m格子(30m×30m)内の1地点で調査が必要となります
第2種、第3種特定有害物質 30m格子(30m×30m)内で5地点均等混合の調査が必要となります
土壌汚染が存在するおそれがないと認められる区画 調査の必要なし


※区画の大きさや調査区画数などにより調査方法が上記と異なる場合もあります。
※自然由来の土壌汚染地における調査方法は上記とは異なります。
※公有水面埋立法に基づき埋め立てられた埋立地における調査方法は上記とは異なります。

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例)30m格子(30m×30m)の区画の場合

土壌汚染のおそれの区分 試料採取等を行う区画
土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる区画 30m格子内の全区画(①~⑨)で、試料を採取し、それぞれを単独で分析します。
土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる区画 第1種特定有害物質 30m格子内の1地点で土壌ガスを採取し、分析します。原則として30m格子の中心である③で試料を採取します。
第2種、第3種特定有害物質 30m格子内のいずれか5つの区画から試料を採取し、同量ずつ均等に混合して分析します。区画の選定箇所は調査実施者の任意判断によりますが、試料採取等に障害となる物等がない場合には原則として中央及びその周辺が均等になるように①~⑤で試料を採取します。

③土壌ガス調査(第1種特定有害物質)

(1)土壌ガス調査(地下水調査)

深さ0.8m~1.0mの土壌ガスを採取し、第1種特定有害物質の濃度を調査します。地下水があって土壌ガスが採取できない場合には地下水を採取し、調査します。

すべての試料採取等区画で土壌ガスが不検出だった場合(地下水を採取した場合にあっては、その地下水に含まれる試料採取等対象物質が地下水基準に適合したとき)は、土壌溶出量調査(ボーリング調査)を行わずに調査を終了します。

土壌ガスが検出された場合(地下水を採取した場合にあっては、その地下水に含まれる試料採取等対象物質が地下水基準に適合しないとき)は、以下の(2)の土壌溶出量調査(ボーリング調査)を行います。

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(2)土壌溶出量調査

土壌ガス調査で土壌ガスが検出された場合又は地下水から地下水基準に適合しない濃度で検出された場合には相対的高濃度地点(※1)にて土壌溶出量調査(ボーリング調査)を行います。土壌溶出量調査(ボーリング調査)によって試料を採取する深度は地表(※2)から10mまでの土壌となります。ただし深さ10m以内に帯水層の底面がある場合には、その底面より深い位置での試料採取は行いません。

※1 相対的高濃度地点とは周辺の区画と比較して土壌ガス濃度が高い地点です。高濃度地点を正確に把握する為に必要に応じて追加のガス調査を行います。

※2 地表がコンクリートやアスファルト等で被覆されている場合やアスファルト等の下に砕石や砂利がある場合には、第1種特定有害物質を対象とした土壌ガス調査とは異なり、それらを除いた土壌表面を基準に採取深度を設定します。

(相対的高濃度地点の例)

以下の場合には⑤の区画が相対的高濃度地点となります。
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①~⑨は10m格子の単位区画を表し、[ ]内の数値は検出されたガス濃度を表す。

(土壌溶出量調査の試料採取深度の例)
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A:汚染のおそれが生じた場所の位置が地表と同じ又は不明である場合の試料採取例
B:Aの場合で地表面が舗装されているときの試料採取例
C:汚染のおそれが生じた場所の位置が地表より深い場合の試料採取例
D:汚染のおそれが生じた場所の位置が複数ある場合の試料採取例
E:帯水層の底面が深さ10m以内にある場合の試料採取例

④土壌溶出量・含有量調査(第2種特定有害物質)、土壌溶出量調査(第3種特定有害物質)

(1)土壌溶出量・含有量調査

土壌を採取し、第2種、第3種特定有害物質の濃度を調査します。採取する土壌の深度は以下の表のようになります。

汚染のおそれが生じた場所の位置(深さ) 採取する土壌
①地表 A.表層~5cmまでの土壌

B.深さ5cm~50cmまでの土壌

上記AとBの土壌を重量が均等になるように混合し、1試料とします。

②不明
③上記①、②以外 汚染のおそれが生じた場所の位置から深さ50cmまでの土壌

※試料採取は汚染のおそれが生じた場所の位置が地表から深さ10m以内にある場合に限って行います。

※地表がコンクリートやアスファルト等で被覆されている場合やアスファルト等の下に砕石や砂利がある場合には、第1種特定有害物質を対象とした土壌ガス調査とは異なり、それらを除いた土壌表面を基準に採取深度を設定します。

(土壌溶出量・含有量調査の試料採取深度の例)
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A:汚染のおそれが生じた場所の位置が地表と同じ又は不明である場合の試料採取例
B:Aの場合で地表面が舗装されているときの試料採取例
C:汚染のおそれが生じた場所の位置が地表より深い場合の試料採取例
D:汚染のおそれが生じた場所の位置が複数ある場合の試料採取例

(2)汚染範囲の調査

土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる区画では30m格子内の複数区画の土壌を混合した試料で分析を行いますが、その土壌試料の分析結果が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しなかった場合には、汚染範囲を確定するために、その30m格子内のすべての区画の土壌を他の区画の土壌と混合することなく単独で分析を行います。
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